デイトレードなのに、どうして寄り付きから仕掛けることができるのか。皆さんは、こんな疑問を抱かれたことはありませんか。

 

 寄り付きの時点ではその日のチャートは全くできていないので、その日のチャートを利用してトレードをしているわけではない、と言う事はわかります。では、何を根拠に仕掛けることが出来るのでしょうか。

 

 日経225先物のマーケットは為替のように24時間連続して開いているわけではありません。従って、前日の終値から当日の初めまでに市場外で起きた様々な相場を動かす出来事(=ファンダメンタルズ)を、当日の寄り付きから一気に織り込みに動き出すのが常です。

 

 まずは、日経225先物が寄り付き後に特徴的な動きを見せるあるパターンを見てみましょう。

 

(1) 前日が実体部分200円以上の陽線で、翌日もギャップアップして窓を開けて寄り付いた時。

 

時間帯 陽線数 ドウジ線数 陰線数 陽線率 陰線率
9:00-9:05 19 7 42 27.9% 61.8%
9:00-9:10 22 9 37 32.4% 54.4%
9:00-9:15 23 5 40 33.8% 58.8%
9:00-9:30 22 7 39 32.4% 57.4%
9:00-10:00 15 4 49 22.1% 72.1%
9:00-10:30 22 4 42 32.4% 61.8%
前場 21 6 41 30.9% 60.3%

 

このパターンはギャップアップして寄り付き、すぐに売り優勢に転じることが多いことがわかります。

 

 メカニズムはどうなっているのでしょうか。前日が200円以上の陽線と言う事は、前日は買い方が相場を支配し、買い玉が積み上げられている。また、翌日のギャップアップで窓開けとなるのは、売り方が寄り成りでの損切りの買い注文を入れたと推測できます。そして、寄り付いた途端に売られる展開になるのは、もはや損切りされるべき売り玉は、この日の寄付きまでに決済されて、後は前日買い玉を建てた買い方の利食い売りと、この動きを待っていたデイトレーダーたちによる新規売り注文によるものだと推測できます。

 

(2) 前日が実体部分200円以上の陰線で、翌日もギャップダウンして窓を開けて寄り付いた時。

 

時間帯 陽線数 ドウジ線数 陰線数 陽線率 陰線率
9:00-9:05 19 7 42 27.9% 61.8%
9:00-9:10 22 9 37 32.4% 54.4%
9:00-9:15 23 5 40 33.8% 58.8%
9:00-9:30 22 7 39 32.4% 57.4%
9:00-10:00 15 4 49 22.1% 72.1%
9:00-10:30 22 4 42 32.4% 61.8%
前場 21 6 41 30.9% 60.3%

 

 このパターンは寄り付き直後から買い優勢で始まる場合が多いことがわかります。

 

 メカニズムは(1)と逆で、前日が200円以上の陰線と言う事は、前日は売り方が相場を支配し、売り玉が積み上げられたことが推測できます。また、翌日のギャップアップで窓開けとなる原動力は、買い方の損切りによる寄り成りでの売り注文と推測できます。そして、寄り付いた途端買われる展開になるのは、もはや損切りされるべき買い玉は処分し終わっており、後は前日売り玉を建てた売り方の利食いによる買い戻しと、 この動きを待っていたデイトレーダーたちによる新規買い注文によるものだと推測できます。

 

 さて、ここからが本題です。

 

 こう言ったギャップの方向と逆方向に動く展開を「リバーサル」と呼ぶことがありますが、「リバーサル」がより確実におこるようにするには、なるべくギャップ幅を大きくすることです。なぜなら、そうすることで、寄り成りで損切りされる玉の比率が増え、同時に寄り付き後に利食いに動くトレーダの比率も増えるからです。

 

 では、ギャップ幅が大きくなるようにするにはどうすればいいでしょうか。それは寄り前気配値を上げたり、下げたりすることです。ここでSGXの登場ですね。寄り前の大証先物の気配値は、大証より15分早く開くSGXにたいてい連動しています。SGXは市場規模が相対的に小さいので価格を動かしやすく、間接的に大証の気配値を誘導することができると言う事なのでしょう。うまくいけば、前日の建て玉をより有利な価格で返済し、更に寄り付きの仕掛けも入れておいてリバーサルの動きもとってしまえば一石二鳥のもうけとなります。

 

 従って、CMEの終値を同じ方向に更に大きく超えて寄り付くようなら、このリバーサルの動きが出る可能性が高く、そんな時にはぜひご相伴にあずかりたいものですよね。 


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