このままでは終われない!
  このページは日経225先物のデイトレをやってみたいと思っている初心者への警鐘、また、プロのデイトレーダーを目指す人へのアドバイスをまとめてありま す。テーマは多かれ少なかれ、私の個人的な失敗体験 に基づくもので、中には完全に主観的な思い込みで書いていることも含まれていると思っています。予めそのつもりでお読みください。

1.「このままでは 終われない!」と思っているだけでは何も変わらない

  負け組トレーダーは、心の中では「このままではダメだ」と思いつつ、実際にはダメな結果を変えるための方策を講じないので、依然として負け組トレーダーな のだ。負ける 度に「あ〜、このままではダメだ。うん、そうだ、このままでは終われない!」と心の中叫ぶ。後悔し、反省し、再度気持ちを切り替えて次のトレードに挑む。 しかし、これの繰 り返しでは事態はなにも好転しない。それ相応の努力を払う事を惜しんでいる限り、このトレーダーは決して勝ち組には移れない。

  きっかけは何でもいい。とにかく、「成功してい るトレーダーが払っている努力と同等の努力は払ってみよう」と決断することだ。結果を変えたければ自らが動 かねばならない。相場のほうが、あなたに合わせて変化してくれるわけがない。「欲しいものを自らの努力で手に入れよう」という考え方、と言うよりもっと高 次元の「思想・主義・信条」が実行力を生み出す。

 何事も努 力を払っても成功するかどうかはわからない。でも、やってみる人には成功する可能性が生まれ、やらない人には可能性は生まれない。「努 力を払っても成功するかどうかわからない。成功できなければ努力するだけ無駄だ。」という考え方から抜けだせない人は、人生において、結局 は自らの手では何も手に入れることはできない。ただ単に与えられるものを待つという人生だ。もちろん、これは善悪の問題ではない。人生に対する「思想・主 義・信条」の問題だ。

  世の中の大抵のものは、それ相応の努力をすれば自ら手に入れることができる。それが世の中の法則だ。トレードで金を稼いで生計 を立てるプロのトレード技術 とは所詮「世の中の大抵のもの」の中のひとつに過ぎないのだ。パソコンをインターネットにつないでこのサイトのこのページにたどり着けるだけの財力と知識 がある人なら、長くても2〜3年も頑張ればその基礎を身につけることができる。その程度のものにすぎないのだ。

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 下は実行力をつけるのにもってこいの本。その効果は折り紙つき!なぜなら、この本を読んで21年間勤めた会社を本当にやめてしまってデイトレーダーに なったやつを知っているから。誰って?オレだよ!


2.「相場は奥深 い」は勉強しないトレーダーの言い訳に過ぎな

 10数年分の分足の四本値などのマーケットデータは5千円も出せば入手可能である。また、どういうテクニカル指標があっ て、それぞれの計算式や意味はどうなっているかは、やはり一冊数千円の関連書籍を購入すれば、いとも簡単にわかることだ。いずれも大した金額ではない。四 本値データを入手し、計算ソフトを使って細か く分析すれば、手法など全く知らなくても値動きパターンを知ることができる。単純に陽線になるか陰線になるかを特定の時間帯について調べるだけで、売りか 買いかの判断材料ができる。これで一つの自前の手法が完成だ。

 こう言ったことは、自らやってみればわかる事だし、やらなけれ ば分からない事なのだ。実行力のある人はやってみるからデータ分析をやる価値あることが分かり、その結果、相場はつぶさに調べれば、調べた部分は分かるも のだと気付く。だから「相場は奥深い」なんて、相場がまるで摩訶不思議な神秘の世界であるかのような表現は使わないのだ。彼に とって、相場のわからない部 分はまだ調べていない部分に過ぎない。逆に、実行力のない人は、こんな当たり前の事さえやってみないから、いつまでたっても「相場は奥深い」ままなのだ。

  実行力のあるトレーダーは相場についての研究者でもある。彼があるテーマに関して、ランダムに選んだ複数の視点からこれを分析し、その分析結果を得たとす る。この分析結果は複数の視点のうち何 らかの相関関係があるものとないものを示唆するであろう。つまり、研 究者の前には次は何を分析すべきかという、進むべき道が開けてくるのである。たとえ、 相関関係が有る項目が全く見つからなかったとしても、それはそれで、相場に関する知識の一つとして彼の研究成果に加えられる。彼は何かを実行するたびに、 確実に知識を増やすことができるのだ。

 だから「相場は奥深い」は勉強しないトレーダーの言 い訳に過ぎないのである。

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 下は入門用としてこの程度のテクニカル指標の知識を身につけておくべきと考える本。この本にある指標 をすべて覚える必要はないし、逆にこの本には記載がないけれど、非常に重要な分析手法もあるが、まずはここから手をつければいいと考える。
  

3. 簡単に金がもうかる方法などない

 
単 にサラリーマンになるだけでも、それまでにそれなりの初等・中等・高等教育を受けて、入社試験をパスしなければならない。そこにはそれなりの努力があった はずだ。更に、一度会社に入ったとしても、その中で昇進・昇格していくためには、自分の欠点を直したり、長所を磨いたりする努力を日常的に行っているはず だ。全くそうしない人は、会社の中でも厄介者扱いされるしかない。

 学校の中でも同じだ。小学生でも中学生でも、日常的に勉強しない子供は成績が落ちていく。勉強する奴としない奴の差は、1年もたてば決定的に広がってし まって、その差を縮めることはほとんど不可能になる。逆に言うと、勉強する奴は相対的にどんどん先に進めるのだ。

 世の中の仕組みは、もし大きなアンバランスがあれば、そのアンバランスをバランスをとれた状態に戻そうとする力が働くと言う事だ。つまり、
特 定の仕事だけ相対的に簡単に金を稼げる様な事が起きていれば、それは多すぎる需要によって競争が激化し、結局、その仕事に付くためには普通の努力では間に 合わなくなって、簡単には金を稼げなくなるという事だ。

 すなわち、生計を立てるために
ト レー ドで毎月50万円稼 げるようになりたいと思ったら、他の仕事で50万円稼ぐことができるようになるための努力と同等の努力が必要なのだ。また、あ なたがこの技術で小遣いを稼 ぎたいのか、あるいは生計を立てたいのかで、必要とする技術レベルに差は発生しないのだ。やはり、他の仕事で50万円稼ぐことができるようになるための努力と同等の努力が必 要なのだ。

4.ルー ルを守れない自分に愕然とするトレーダーたち

 デイトレードで生計を立てているプロなら誰でも「ルー ルに沿って機械的に淡 々とトレードを行う」事が、確率的優位性を追求するための基本的かつ最重要なトレード戦略であること、また、それを実トレードで行う事が実は非常に困難 であること、そして、意 図的に訓練を行うことによってのみ、この技術を身につけることができるという事を熟知してる。

 デイトレードではポジションを持っている間は常に含み益もしくは含み損がいくらなの分かってしまう。また、場が開いているのでトレーダーはいつでも自 由に利益確定が出来る。従って、デイトレーダーは、ザラ場が終わってどうなったかを見るのとは全く異なる心理状態に陥ることになる。
すなわち・・・利が 乗った場合は「早く手仕舞いして利益を確保した い」と言う焦る気持ちが自然にわいてくる。逆に、含み損が発生すると「だめだ、またしくじった。」「もう損したくないよ。」と言うマイナスの感情が湧き出 し、更には「このまま損失が膨らんだらどうしよう」と言う恐怖に晒される。おそらく、命を危 険に晒す職業以外の人にとって、こういう感情は非日常的なもので、苦痛以外の何ものでも無いはずだ。

 だから、訓練されていないトレーダーは利益が乗ると5分も我慢できずに、ルールを無視して 早すぎる手仕舞いをしてしまう。そしてルールを無視して早仕舞いをしてしまった自分に対して自己嫌悪に陥る。また、含み損が発生すると「負けるこ と」=「悪いこと」と言う図式が頭をよぎって、 損切りするべきところで損切り注文執行のクリックを躊躇したり、戻すんじゃないかと成行で手仕舞いせずに、10円の損を抑えるためい指値を入れたりしてし まう。これらの行為 はルール無視なので、早じまいと同じく自己嫌悪につながる。更に、しかるべきところで損切りしていた場合の金額以上の損失を出してしまった ら、この場合は実害が伴うので自己嫌悪の度合いはルール無視の比ではなくなる。

 マーケットの知識が豊富で、しかも統計的に優位性がある手法を知っていても、利益をコンスタントに上げることに無縁のトレーダーたちが抱える最大の課題 がこの心理的な弱点を克服できていないことなのだ。逆にいえば、この課題を克服することから取り組むべきだ、と言う事になる。

5. 安 易に手を出して心に傷を負うトレーダーたち

 上 手な人がこすくいで10円20円を次々取っていく裁量トレード を見ていると、とても簡単そうに見える。だから、経験もないまま「危ないと思ったら逃げればいいや」と適当な考えしか持たずに試しにやってみる人がいる。 たまたまトレンドが仕掛けた方向にある場合は意外と簡単に利益を上げることができる。しかし、逆の場合は大変な事に発展する可能性が潜んでいる。

 例 えばメジャートレンドの中のプルバックのときに、トレンド転換と見てメジャートレンドと反対方向に逆張りで仕掛けるとする。そして、見立てとは逆に、再び メ ジャートレンドが始まったら、「しまった、単なるプルバックだった」と悟ってさっさと損切りしなくてはならない。ところが、裁量トレードはその「悟る」 と言う部分が裁量になっているので、損切りポイントが事前に客観的に明確な位置で決まっていない。こうなると訓練されていないトレーダーは 焦ってパニックになる。

 一旦パニックになったら最後、恐怖の時間が20〜30分ぐらい続くのが普通。そして、損失が膨らめば膨らむほど自らの手で損失を確定することが出来な る。やがて、トレンドに勢いがなくなっ て値動きが止まる。ようやく我に返って損切りを行うことになるが、こういう動き方をするときは、そこが最初に狙っていたトレンド転換のポイントで、損失が ピークになったときに切らさ れたことを知るはめになる。

 問題は続く。こういう恐怖体験はしばしばトレーダーに致命的な障害をもたらす。どういう事かと言うと、それ以降、トレードしようとするたびに、「また 損切りを躊躇して大損害をこうむるのではないか」と思って建て玉が出来なくなってしまうと言う事だ。

 トレーダーがトレードすることを恐れるようになったら おしまいだ。リングに上がれないボクサーと同じ。しかし、あきらめることはない。この恐怖を取り除くための心理学的アプローチがあるのだ。

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 デイトレードをやったことがない人が決して読んでみたいと思うはずもない相場関連の本で、デイトレードを経験したのちに、手にすることになる可能性が最 も高 い本の一つかもしれない。実は、私はこの本の御蔭で何とかデイトレードで成功することをあきらめずに済んだ。もし、心理的な理由でデイトレの壁にぶつかっ ているなら、ぜ ひ読んでいただきたい本である。プロトレーダー一押し。


下は『ゾーン』より後で刊行された本で、更に実践的な心理療法を解説している本。認知療法や行動療法と言った臨床心理士の視点から見た施術法を解説しているので、実践したい人向きか。


ちなみに、当サイトのWebセミナーはこの本のトレーダー育成方法に関する考え方を参考にさせていただいています。

6. あ きらめずに情熱を持って取り組んだトレーダーだけが成功する

 上で言った様な出来事は、多かれ少なかれ、ほとんどのトレーダーが経験することで、決して珍しいことではない(と思う)。そして、ここからどう進むかが トレーダーとして成功するか否かの分かれ道になると考える。

 ト レードのたびに自然にわきあがる恐怖や苦痛とどのように 付き合い、また、いかにして自分の心をコントロールしていくかは、大変重要な課題だ。しかも、たいていの場合は、実際に実弾を使ってトレードを行い、ど の程度のプレッシャーなら耐えられるの かを自分自身で掴むしかない。                
 こころの安定が維持できる建て玉数は、言ってみればそのトレーダーにとっての安全圏だ。そして、この安全圏に身を 置いて機械的トレードを繰り返し、問題なく出来るようになったら初めてに建て玉数を増やす、と言うのが正しい訓練であり、この課題を解決する方法なのだ。 また、このような努力を続けていくためには「ルー ル通りやれば、確率的優位性が発揮されて必ずもうかる」と言う確 信と、「ど うしてもトレードで成功したい」と言う強い情熱が必要だろう。つまり、本当にトレーダーになりたいと思っている人が、正しい方 法で、必要な訓練を行う事が、成功へのカギになっているわけだ。

 もし、長い間トレードをやっているのにルール通りトレードできず、コンスタントに利益を上げる状態に至っていないのであれば、あなたが正しい方法で訓練 を行っていないか、絶対的に訓練量が不足しているかのどちらかだ。依然、そのような未熟な技術レベルにあるにもかかわらず、適当なルールしか決めていない ままトレード をしているなら、いつ破たんしてもおかしくないだろう。

 「情熱を持って取り組む」と言う姿勢は、なにもデイトレードの習得のためだけに限ったことではない。人生において、何かを成し遂げようとするなら、常に 情熱が必要だと言う事は言うまでもない。

続く・・・