伏線

 相場はこれを動かそうとする者がいないと支持抵抗線の間を往ったり来たりす
るだけで、レンジの上下限を上下するだけの実にシンプルな動きになってしまい
ます。いわゆる保合いと言う状況です。一方、意図的に支持抵抗線をブレイクする
ことで、相場参加者を刺激して相場を動かそうとする仕掛けが入る日もあります。
もしこの仕掛けが成功すれば、その日はマーケットプロファイル分析でいうところ
のトレンドデイとなります。

 

 その中で「さっきのティックブレイクがこの真正ブレイクの伏線だったんだ」と
思い当たることがしばしばあります。

 

 例えば、重要な抵抗線があるとします。ザラ場でこれをティックブレイクします。
ティックブレイクなので、買い方が追随しなかったので10円高値を更新しただけ
で、売りかぶされて押し戻されるわけです。そして、その後、相場つきが変わって
それまでの安値、つまりレンジの反対側のブレイクが起こる。こう言った相場展開
では、売り崩されて大きく下げることがよくあります。

 

 ティックブレイクがあれば、次に何かが起こるかもしれないと疑ってみる、そして
疑った方向に相場が進み始めればこれに便乗する。こう言った相場の読み方も損失
を抑え、利益を増やすために役立つのです。

 

  マーケットで起こっているすべての事象には原因があります。しかも、
「一つの事象は前の事象を原因として発生する」という連鎖がエンドレスで
発生しています。

 

・・・・・事象A発生→状況が変化→これが原因で事象Bが発生→状況が変化
→これが原因で事象Cが発生・・・・・ 

 

と言った感じですね。マーケットが創設されて以来の歴史が今も延々と続いて
いるのです。

 

 当セミナーの講座「局面の推移−トレンドと保合い」では、抵抗線をブレイ
クすることによって価格が上昇して損切りが発生し、売り買い双方の勢力の建
て玉数が変化して局面が移り変わっていく、と言う話をしました。また、「寄
り付きの仕掛け」では、前日のトレンドの方向と当日のギャップの方向が一致
するとその日の寄り付き以降の値動きに特定のパターンが表れやすい事を説明
しました。これらも原因と結果を示すいい例ですね。

 

 つまり、次にどんなことが起こるかを推測するためには、今起きていること
やこれまでの経緯がもたらす状況の変化を分析することから始めるべきなので
す。そして、そのような分析はこれまでの講座で説明してきた以下のポイント
に関して行うべきでしょう:

 

(1)経過時間や残り時間
(2)上昇・下降の値幅や平均値幅から見た上値・下値余地
(3)新規建て玉と返済による売り玉・買い玉の残存数量の変化や出来高の余地

 

 以上がこの「スタートアップセミナー」で皆さんに学んでいただきたいと考
えている最も重要なポイントです。こうした視点と考え方を身につけて相場を観
察してみてください。思い当たる節が次々と見つかることでしょう。そして、次
のステップは、これらの考え方と視点から、マーケットのデータやチャートを分
析し、優位性のあるトレード手法を探していくことになります。そこには、何か
しら優位性のあるトレード手法に結びつく様な特定のパターンが見つかることで
しょう。


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